石の上に柱を建てる礎石建物自体は古くから中国や朝鮮半島より
日本に伝わっていたが、限られた建物でしか用いられなかった。
その理由としては、ひとつは自然災害の多い日本の気候風土では
地面に掘った穴に柱を埋めて固定する掘立柱建築は、伝統構法の
柔構造ではなく剛構造だが、柱の太さに関係なくある程度地震や
台風に耐えることが可能で、しかも建築費が安く技術的にも簡単
だったので庶民の住宅に採用されてきた。もうひとつは国民性だと
推測されるが、日本人は保守的で弥生時代以降ずっと採用されていた方法を
変えようとはしなっかった。ただ寺院などの公共的な建物は大陸からの最新技術である
石の上に柱を建てる礎石建物を採用し華やかな建築を残している。地面に柱を埋めた構造は
埋められた部分は早く腐り柱の交換が必要となるが、交換しながらその工法を長期間維持
できたのは豊富な森林資源があったためです。