大阪の能勢町にあった民家は妻入り入母屋造りで京都、兵庫にも広く
分布している形式である。田の字型の間取りが多い地域ながら、この
能勢の民家は縦割りの特異な間取りで片側にナンド、ダイドコ、ザシキ
とヒロエンが並び、もう一方のドマとウマヤが並んでいる。畳は座敷のみ
敷かれており、ほかの部屋はすべて板張りである。軒が低く垂れさがり
開口部も極めて少ないために家の内部は暗い。柱は細く栗が使われている。
屋根の造りは「垂木構造」と言われる近畿地方独自の構造で、地棟の上に
オダチと呼ばれる束を立てて棟木をささえています。