現在の在来工法ではコンクリートの基礎の立ち上がりに土台を置き、アンカーボルト

で緊結し、なおかつ柱の接合部に金物と筋交いを取り付ける剛構造である。耐震的な

構造であるが、地震により力がかかった際に傾く角度が建築基準法で定めている角度

の1/120radを超える揺れが来た場合、金物の取り付け部が破損し、筋交いが破損

するなど倒壊の危険性を含んでいる。しかし、伝統構法の建物は傾いて倒れかけても

しぶとくねばり、元に戻る復元力があり、なおかつ限界の数値は一般在来の木造住宅

より高い。気の持つ本来の性質である粘りの柔構造がきっちりと効果を発揮するため

に石の上に柱を建て、自由に動かせながら、柱間を継ぐ足固めと差し鴨居や梁や桁の

三十の横架材と柱間に通した貫により免震的な構造になっている